■ 殺される
任務でちょっと怪我をした。
本来なら負わなくていい傷だった。
仲間のフォローに気を取られて深い裂傷。
黙っているつもりだったが、家に戻ると血の匂いに勘付かれた。
しつこく問いただされ、怪我をした経緯を白状すると、オレあんたが怖い、とカカシが暗い目をした。
――イルカ先生は、オレを殺す気?
カカシは本気だった。
イルカはよく怪我をする。一言でいうなら無鉄砲。
絶体絶命の危機に、一番に走り出す人の良さ。
この人は長生きできない。
残されるくらいなら、いっそのこと先に死んでしまおうか。
そうすれば、イルカがいない世界を迎えることはない。
馬鹿げた考えだが、誘惑にかられて、任務の時は腕が鈍る。
何度か本当に死にかけて、恐ろしいと思った。
恐ろしい。
あんたが、オレを殺すんだ。
顔を覆うカカシを、そっと抱きしめた。
ごめんなさい、もっと頑丈になりますからと耳元に囁くと、そうしてください、カカシは鼻をすすりながら呟いた。
○ BACK ○