013:深夜番組









 交わりはこの人にとって大変ショックだったらしい。
 そこそこ気持ち良かったはずだが、その後は放心状態。
 目を離すと自殺しそうなので、家に連れてきたが―――ろくに喋りもしない。
 急ぎすぎて、ちょっと壊れてしまったかもしれない。


 家に連れてきて風呂に入らせ、ベットに押し込んだらようやく身体の力を抜いた。
 やっと眠ったイルカを眺めながら、
(しっかり布団握りしめちゃって)
 寝る場所を占領されたカカシは欠伸を一つこぼした。
 だが、とても眠れそうにない。
 心も身体も高揚している。
 しかし、起こすのもなんだか気が引ける。
(まともに相手できるとも思えないしね)


 仕方なく、時間潰しにテレビの電源をつけた。
 滅多に使わないテレビはくだらない深夜番組を映す。
 別に見たいわけではないが、ベットにもたれ、なんとなくテレビを眺めた。


 傍にイルカがいることが不思議だ。
 興味と好奇心から始まり、行くところまで行って―――、
 それで、結局どうだった? と聞かれたら、はて、と首を傾げる。
 セックスなんて、単なるコミュニケーションの一つだ。
 本当の交わりはこんな甘やかなものではない。


 子供のような寝顔を見下ろして、こっそりほくそ笑む。
 


 今でも――イルカのことは嫌いだ。
 苛々させる人間。
 それはきっと、ずっと変わらない。
 だが、嫌いという感情は悪いことじゃない。

 むしろ自分にはぴったりくる感情だ。


 愛情なんてものよりも、ずっと強烈だと思うんだがなぁ。










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2003.04.12

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