016:シャム双生児
なんだかつまらない。
最近のあの人はまったく張り合いがなく、まるで人形みたいだった。
以前のような怒号は聞けず、いちいち人のすることにびくびくする。
伽の間も、全身で気持ち悪いと表現するので、よけいに酷くしたくなって困る。
それはそれで楽しいが、さすがに悪循環だろう。
オレが言うのもなんだが、なんで責めないのかね。
なんでもかんでも自分の中だけで解決しようとして―――そんなのばればれだって。
苦労性の優しいイルカ先生。
正しい道徳心にへばりついて色々考えているようですが、
でもオレ、ちょっと飽きてきました。
そこで、ひとつ新鮮さを求めてみた。
「今度、任務に同行してください」
相手はアカデミー教師。任務から離れて何年か。
たまには刺激的でしょう。ぶっつけ本番の命のやりとりや、血の匂いを嗅ぐのも。
イルカは顔を見ようとしない。
俯いたまま―――命令ですか、とこぼした。
そんなの当たり前でしょ。
交わりってのはセックスだけじゃない。
戦場での刹那がいい例だ。
野蛮人でけっこう。でもそれが一番手っ取り早いんだよ。
アンタもあんまり長く持ちそうにないし、
ここはひとつ―――もっと深く繋がりあいましょう。
そして、その果てのアンタを見せて。
熱いベットの中でそう囁くと、あの人は少し泣いた。
○ BACK ○
2003.04.12
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