071:誘蛾灯







 

 結果オーライ。まさに言葉通り。

「虫が勢ぞろいしたねぇ」

 片足は本調子でなく、間抜けに船で負った傷はじくじく痛む。だが、負ける気はしなかった。
 本当は、こんな予定じゃなかった。
 チームの中で一番戦力があると自負したから、敵を誘き寄せる餌になるつもりだったが、最終的にその役はイルカが担った。
 いや、生き残ると手紙を送った時から、イルカに背負わせる覚悟をしていた。
 ―――灯火の役を。
 害虫を誘き寄せ、水に溺れさせる誘蛾灯。
 数で不利な上、言葉にするほど簡単なことではないが、イルカは献身的な介護で自分を守ってくれた。多少のおいたもあったが、痛み分けということで示談したい。
 今の状況は、けして好機とは言えないが――不思議だ。負ける気がしない。
 多分、
 イルカがいるからだ。

「イルカ先生」
「はい」
「全員殺すよ」

 少し間を置いて、イルカは「はい」と答えた。
 同時に全神経が冷たく張り詰める。
 引き締まる背に、痛みが遠ざかった。
 それほど長くはかけない。指先に馴染むクナイを確かめて、
 カカシは闇と化した。










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